9/5〜9 モンゴル後半の総集編

ロシアの途中から全開にするとボコつくキャブレターを掃除して、好天を待ってウランバートルからリスタートしたのは、9/5㈫の夕方だった。キャブはメインジェットの穴近くに、小さな使い捨てウエスのような物体を発見。多分俺が日本でOHした時の忘れ物だ。。

しかも火曜の昼に「さぁ行くぜ!」と思ったらオーバーフローしている。。また外して開けるとバルブシートOリングが切れていた。スペアは無い。。結局、大島さんがレンタル用に数多く保有しているバイクの中からセローのOリングを外して移植し、復活した!大島さん、最後までお世話になりっぱなしで本当にすいません。そして心からありがとうございす!

その日は西へ走れるだけ走りタイムアップ、潰れたガソリンスタンドの建物の裏に隠れてのキャンプとなった。遠くに見えるゲルに住む遊牧民の少年が馬でやってきてテントの設営と撤収を手伝ってくれたのはいい思い出だ。朝は彼にコーヒーとクッキーをあげて一緒に朝食をとり、彼が住むゲルを見せてもらってからスタートした。

道中でJohnというアメリカ人ライダーに会う。ヨーロッパやアジアのライダーとは会ってきたが、アメリカは初だった。彼は最初(どこからかは忘れてしまった)自転車でスタートし、モンゴルでヤマハの125ccバイクを買ってからバイク旅にスイッチしたらしい。途中一緒に走ったりしながら、Bayankhongorまで行った。

よく朝Bayankhongorから西へ1kmほど進むと道路が無くなり、最初どっちへ進めばいいのかわからなかった。

ここから約250kmは、方角とタイヤ痕、時には家畜の足跡が作った道を頼りに進む旅となった。

スマホの地図ではA0303というハッキリした道になっているが、そんな道は無かったので注意。工事中の道があったので、何年か後にはつながるのだろう。

丘を下った先がフカフカの砂になっていてフロントをとられたり、一度現れた走りやすい固い場所で深い溝にタイヤがはまったりして二回転倒したが、バイクも体も無事だったのは良かった。

Bayankhongorで給油を忘れた俺は、まさか突然このような道になるとは思わなかったから、何もない荒野に延々と伸びる道を進んでいくにつれて、ガソリンの心配しか頭に無くなった。ラフな道なので燃費は落ちるから、計算すると次のガソリンスタンドまでもたない。。こうなったら車をつかまえてガソリンをもらうしかない、と思うもたまに通る車は工事関係車両=ディーゼル車ばかりだ。ヤバイク!と焦りながら祈るような気持ちで進み続けると、5〜6のゲルからなる小さな小さな集落が見えてきた。ここかしかない!と思い目に入った男女に近づき、タンクを指差して「No benzine!」(ベンジン=ガソリン)と最高の困り顔で伝えた。男がタンクを覗き込み、「こりゃ足りねぇなぁ」的なリアクションをくれた。それは俺も知っている!だからガソリンを買うから車やバイクから入れてくれ的なジェスチャーをすると、できないという反応が返ってきた。そして女性が、一時間半程厳しい道と格闘してきたBayankhongorまで戻って給油しなさいと言う。。それも最終選択肢として考えていたが、できればやりたく無いんだ。。

ガソリン買わせて!→できない、戻れ!

のやり取りが10分ぐらい続いただろうか、、こりゃ無理かなと諦めかけた時、別の男性がやってきて、どうしたんだ?と話を聞き、何かを言った。野次馬だろうな、、と思った次の瞬間、女性から「ガソリンを入れてあげるよ」的なリアクションが!どうやら第三の男は集落の権力者だったようで、困った旅人にガソリンを売る許可を彼らにあげたのだった、、!それだけここではガソリンは貴重ということなのだろう。厳重な鍵のかかった倉庫の中に入り、洗面台の下のスペースに隠してある2Lコーラのペットボトルに入ったガソリンを念のため6L、リッター110円=街よりも40円ほど高い金額だったが購入し、難を逃れたのだった。

この日は動物も人もやって来ない原野でキャンプをして、翌日8日の午後にこの補給が難しいエリアを脱し、Altaiという町へと辿り着いた。9日は野生のラクダが沢山いるGobi Altaiエリアを走り、Khovdという町まで進んだ。今日10日はロシアの国境に近いUlgiiという町まで進むが、また道は無く形跡をたどりながら走ることになる。

9/5〜9 モンゴル後半の総集編」への8件のフィードバック

  1. ガソリン無いのは、駄目ですな。今のうちにらくだに乗る練習でもした方が良いですな。草食えば進むからね‼️バイクをらくだで引っ張れないかな(笑)いざと言うときにはそれで行こう。毎日何食べるの、スンゲー興味ある。豆の缶詰食べた?あの味の無いやつ。

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    • ミスりました。。ラクダはゴビ砂漠で5日間ぐらい乗ったので、乗れると思います!豆缶詰は食べてないですが、確かに缶詰の味は薄いですね。ローカル食堂が多いですが、たま〜にスーパーで食材買って自炊もしてます。

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  2. 金ちゃん、生きてるねぇ〜
    感動する、地球は丸くて広いことがスゲ〜わかるヮ〜
    無理しないでなぁ〜 只見ももうすぐトリムだょ〜(^○^)

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    • 今年はトリム行けずにすいません、、(*_*)でも新しい二人が自分以上によくやってくれるはずです!ちょっとの無理はするけどすごい無理はせずに頑張ります!

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  3. ガソリンスタンドには困らないはずの地元の峠道でガス欠になって、惰力で麓まで降りてきたものの二件あるスタンドはどちらも休み。
    比較的近くの友人に電話して待ってる間に、たまたま通りかかった旧友に声をかけられ、事情を話してガソリンを持ってきて貰った事があります。
    これまでもいろんな人たちに助けられて生きてきましたが、それを再認識した出来事でした。
    その前に、自分で出来る事はやっておかないと❗ という思いも☆
    なかなか出来ないんですけどね(笑)

    未舗装路の軌跡、解りづらいね~。゚(゚´Д`゚)゚。
    わずかに走るトラックや地元の車、電線で判断してる旅人は多いみたいですね。

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    • この先のスタン系の国を通ってきたライダーから、ガススタでガソリン売ってくれなかったと聞いたので、地元民から買う良い練習になりました!
      車は自由に走るから何本もの轍が広範囲にあり、バイクで渡るのはきつい川に出たり、スタックするようなデカイ石だらけの場所に出たりと、通れるルートを見つけるのに苦労もしました。

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金本 幸洋 への返信 コメントをキャンセル