道中で聞いてきたナイジェリアの評判は、なぜか悪いものばかりだった。
「役人の腐敗レベルがヤバい」
「賄賂の要求がハンパない」
「ナイジェリア人は押しが強い」
「イスラム過激派『ボコ・ハラム』(西洋の教育は罪という意味、、過激!!)が北部で頻発にテロ活動をしている」
などなど。なので、いつも以上に気を引き締めて向かう。
最短ルートでナイジェリアへ入ると通過するLagos(ラゴス)という都市は、なにやら「アフリカ三大凶悪都市」の一つというウワサもある。他ニつはケニアのナイロビと南アフリカのヨハネスブルク、またラゴスに代わってにタンザニアのダルエスサラームがノミネートされることも。鵜呑みにはしていないが、用事が無ければ寄らない方が無難だろう。
また、ポリスが舌なめずりしながら待っている賄賂街道となるのは最も交通量が多いメインルートのはずなので、マイナーっぽい青い点を付けた道から国境を越えるとにした。しかしこのルート上には以前武装強盗が出没していた地帯があり、やはり油断はできない。
15 March ベナン出発。この日から蛍光ベストを着用する。
この先検問の数が増え、突破する難易度も上がることを見据えて、見た目の印象を少しでも明るくして捕まるリスクを減らす作戦だ。まぁこれでもイカツい感じだけど、、、さすがにブルキナファソの時のように投獄はされないとしても、いちいち怪しまれて停められて質問(フランス語だから理解できない)されるのは時間がもったいない。
この国境では、おもしろいことが起こった。知らぬ間にベナンを出国していて、ナイジェリアに入っていたのだ!てっきりベナンの出国手続きをしていると思ったら、係員が
「ナイジェリアの電話番号を書け」
と言ってきた。
「まだSIMカード持ってませんよ、ベナンにいるんだから」
とコイツ何言っちゃってんの〜って感じで答えたら、
「違う、ここはナイジェリアだぞ」
と返された。
、、、こんな簡単に出れちゃう国は初めてだった笑 引き返してベナンの出国イミグレーションを発見、スタンプをもらう。屋台みたいな建物に係員が二人いるだけ、きっと屋台と間違えてスルーしたんだな!
対するナイジェリアの入国イミグレーションにはやたら役人が多く、そしてみんな暇そうだ。バイクの持ち込み手続き含めて15人ぐらいとやりとりし、何人も「金くれ」と言ってきて、うち一人は個室に連れこもうとしてきたが、いずれも何度も断れば相手から引き下がるレベルで全て回避できた。せめて『〇〇税を支払う必要がある』とか、嘘でも言ってくれば騙される可能性があるかもしれないが、みんな飲み食いするジェスチャーの後に「金くれ」と言ってくるから単純でおもしろかった笑
全ての工程をクリアして、あとはこのバーを越えれば終わりだー!いざ出発!!とクラッチレバーを握った直後、レバーにかかるテンションがスッと消えて軽くなった、、、それはつまり、クラッチワイヤーが切れてしまった。
賄賂攻撃を防いだので、これ以上言ってこないうちに一秒でも早くこの場を去りたかったのに、ここで切れるのか〜。。たまに注油もしていたけどやはり元放置車両、予想以上に傷んでいたようだ。とりあえず今日到着を予定している町まで、このまま走れないか策を講じてみるも、できそうにない。ここに長居したくはないけど仕方がない、切れた時用に持ってきた予備ワイヤーと交換だ。まぁ、強盗が出るかもゾーンで切れなくて良かったとしよう!
イミグレの建物からほんのちょっとだけ離れ、作業に入る。
「ここを使うな、使うなら金払え」とか言ってこないか気にしたけど平気で、その場所を見張っているポリスやローカルたちは温かく見守ってくれて、写真もポリスが撮ってくれた。また、作業が終わった後は汚れた俺の手を見て、子供が石鹸と水を持ってきてくれた。
なんだ〜、いい国じゃんナイジェリア!
Keep on Rolling.