01 February モロッコの南半分は国連未承認の「事実上の国家」で、現在モロッコの支配下にある『Western Sahara 西サハラ』に入る。
国境は無いが文化やルールが変わるかもと少し構えていたが、特にモロッコと変わらなかった。ただしその名の通り完全なる砂漠地帯なので、町や生物の営みを目にする機会は一気に少なくなり、代わりに荒野をひたすら突っ走る時間が増える。意外にもモロッコでほぼ毎日といっていいぐらい降られた雨(時間は長くないが、時にはとても外にいられないゲリラ豪雨もあった)はここに来て終わり、乾ききった世界へと変わったのがはっきりとわかる。
道端にはこんな植物が生えてる。
ラクダはよく見るが、こんなに真っ白なやつは初めてだ!子供だからまだキレイなのかな?
また、モロッコ内の至る所にあるポリスチェックにて、ずっとノーチェックだったのが西サハラの少し手前あたりから必ず停められて、パスポートとバイクの情報を記録されるようになった。一回につき5分ぐらいの待ち時間だが、頻繁なので地味にストレスだった。
道は、工事中の未舗装区間もたまにある程度で、あとはアスファルト。ガソリンスタンドもロシアより多く、無補給区間の最長でも200kmは離れていなかったと思う、確か。
そして嬉しいことに、西サハラ地域のガソリン価格はモロッコのリッター約140円より30円以上も安く、これに関してはほんと国が違うぐらいの差があった。不毛な大地を相手に先人達がインフラ整備をがんばってくれた結果、今こうして俺が一人でも安心してサハラを越えていける。感謝だ!
西サハラ南部にある唯一の大きな町、Dakhla(ダフラ)を目指す道中、日が落ちても走り続けてたら、前方右の路肩から突然フラ〜ッと大きな影が道路に入るのが見えた!慌てて急ブレーキをかけて停まるとそれはデカいラクダで、見上げた時の大きさにゾ〜ッとした、、、大きさも重さも相手が上だ、もしぶつかってたらこっちが負けてただろう。
ラクダに注意の標識は本当だ。
これはオブジェ
02 February Dakhlaで安くて快適な宿にありつけ(シングルで一泊500円台!)、しかも目の前においしい魚が食える食堂もあったので、一泊だけするつもりが二泊に。暑いので昼間は皆おとなしく、夜から町が賑わう。
好きな食材をチョイスして料理してもらう。
ほしかった青のターバンをゲット!
25DH(約300円)の品だが、巻き方を教えてもらったあとテンション上すがってオッチャンと一緒に写真撮ったら、オッチャン嬉しかったのか20DH(約240円)にしてくれた!値切らずにディスカウントできたのは初めてだ。
気持ち良い景色を求めてDakhlaのある半島の先端へ行ってみたが、そこにあったのはスラムだった。。
03 February さて、サハラと海が交わるこの地でリフレッシュし、次なる国はMauritania(モーリタニア)。何にも知らない国だしどうなることやら。。と思っていたら、予想を裏切らずビックリさせてくれた!
ここは月面ではなくて、西サハラを出国してモーリタニアの入国イミグレーションへ向かう国境エリアだ。西サハラを巡る領土争いは未だに終結はしておらず、停戦中なのでここは国連が監視する軍事境界線、緩衝地帯なのであえて乗り物が進みづらいボッコボコな地面なのだろう。しかも周囲には地雷も埋まっている。どこへ進めばいいのかすらわからないから、車のタイヤ跡を手がかりに多分3kmぐらい進むと、建物が見えてきた。
着くとさっそく、出入国手続きのサポートで小銭を稼ぐヤツが近づいてきた。断っていつも通り自力で突破を試みるも、かつて一度だけコイツらに頼らざるをえなかったアゼルバイジャンからイランへの入国イミグレ同様、ここもどこで何を行えばいいのか全然わからず、役人には英語も通じない。(アフリカの公用語は旧支配国のフランス語)自分自身に加えてバイクの持ち込み手続きもあり、ここはかなり時間を浪費する国境越えになると判断し、さっきのヤツと値段交渉して5ユーロで手を借りた。他にも、バイクの登録で10ユーロ、バイクの保険で8ユーロ(加入日数によって値段が変わるので3日間にした、過ぎても誰もチェックしないはずだから)支払った。
このように入国時にお金がかかると何だか嫌だが、「お邪魔します!」とお願いするのはこっちなんだから多少は仕方がない。不要なお金を払ったりボッタクラれたりしないよう、冷静に状況を見極めながら落ち着いてリラックス、それでいてナメられない毅然とした態度をとることが大切だと思う。
無事モーリタニアに入国すると、そこに待っていたのは砂と風と夕陽だった。
Keep on Rolling.