TRIUMPH 5TA Speed Twin Cafe Racer Special 1960

トライアンフ初となる、ユニットエンジン(ミッションとエンジンが一体型)を積んだ500ccモデルで、マイナーながら、実は革新的だったマシン。

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ノーマルの5TAは上記の写真の通りで、通称「バスタブフェンダー」と呼ばれるバスタブをひっくり返したような深く大きなヤボったいリアフェンダーが特徴だった。雨の多いイギリスでは泥除け効果が高くて実用的ではあったものの、ぜんぜんスポーティーではない見た目の重苦しさが不評で、買ってすぐに交換する人も多かったそうだ。それに留まらず、当時イギリスで全く別スタイルのカフェレーサーにカスタマイズされたこのスペシャル5TAを、2012年、旧車専門店タイムトンネルで手に入れた。この時代のトライアンフのカフェレーサーといえば、NORTON(ノートン)のフレームにエンジンを載せ替えて「TRITON」(トライトン)に仕上げるパターンが非常に多かったらしく、このように純正フレームのままで作り上げたカフェカスタムは貴重だと聞いた。

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正直、めちゃくちゃ乗りにくいバイクだ。。!通常のタンデムステップの位置にライダーのステップが取り付けられている、後輪の途中まで足が下がる鬼のバックステップ仕様。激しく垂れ下がったセパレートハンドルは腕を上げ続けて握らなければならず疲れまくり、すごく短いためほんのちょっとしかハンドルが切れない。Uターンなんか地獄。。。また、右足シフトの左足ブレーキのため、足の操作だけいつもとは逆になる。

7.これで500cc?と思うぐらいコンパクトなエンジンは、当時のトライアンフの高い設計力を物語ります

8.チェンジするとカチッと動くアナログのギアポジション表示がいい味出していて、お気に入り部分の一つです
でも、こうした苦労よりも魅力と楽しさの方が数倍上回るし、乗っている時のドキドキ・ワクワク感がたまらない。旧車全般に言えることだが、重厚な部品一つ一つが連動して動く機械の塊であることが心底実感できるのだ。静粛性など考えない時代のエンジンが奏でる純粋なメカノイズや、大きく激しい振動がもたらすバイクの存在感、そしてスポイルされていないバイク本来の野太いサウンドが味わえる。トラクションコントロールやABSなどありえない鉄の塊は、操って走るという行為が限りなくダイレクトだ。最近のバイクはコンピューター制御が多くコスト重視型パーツを多用しているため、この感覚がどうしても薄まってしまう。
そして何よりも、60年間という時を刻んできた絶対的な希少価値がある。購入価格は正直、高級な最新モデルが買える金額で、旧いが故のトラブルもたくさん経験してきたが、手がかかる子ほどカワイイという心境で大切にしている。
以前、残暑の中央道をハイスピードで飛ばし続けていたら、旧いエンジンが耐えきれずにブローしてしまい、ここしばらくは眠れる獅子、いや眠れるトラだったのだが、ちょうど今月末からバイト先のタイムトンネルに運んで自力で修理に挑戦する。またコイツと一緒に走れる日が来るのがくるのが楽しみだ。

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