Simple Life Rhythm

9/7〜13にかけて関東に行き、ツアラテックのキャンプイベントのお手伝いと、タイムトンネルのツーリングの下見と、テネレを整備して車検を通して、おととい白馬に戻ってきた。

引っ越し完了までの間に白馬まで乗ってくる段取りがつかず、大和の姉宅に預けている間車検が切れたテネレ。車検場ではミラーが小さすぎる(初めて言われた!)やヘッドライトテストで苦戦したり(これは想定内)で制限時間ギリギリでリカバーでき、無事車検更新できて嬉しかった!

久々に乗ると低速のトルクの太さに思わずのけぞった!直前まで乗ってたCB400Four(タイムトンネルツーリングの下見のためにお店から借りた)が直管で抜けが良すぎて下がスッカスカだった影響も大きいけど、あれ、こんなにすごかったっけ!?と思うほど強烈なピックアップ。乗ってると普通になるけど、そういうバイクだったんだな!

オフヘルメットで乗った水冷ヨンフォア。これはこれでなかなかいいバイクだった
俺のフラッグシップのテネレをようやく白馬に持ってこれたー!復活したトラと並べてガレージに置けて、感無量!眺めて良し走って良し、いまだにこのテネレには飽きていない。

9/5以降、空いている日は家から4kmほどにある飯森ゲレンデの草刈りアルバイトをやっているが、すごくいい感じだ。

7時40分頃に家を出てゲレンデまで電動バイクで10分弱、まずこの通勤路がのどかでたまらない。

白馬の山々の麓に広がる爽快なあぜ道を行く。

そして、こんな景色に包まれながら8時〜17時まで、スキー場の斜面を登り下りしながら草刈り機をひたすら動かして、いい空気の中でいい汗をかくのだ。

草刈りに没頭しているうちにあっという間に時間がたち、仕事が終わる。17時過ぎには帰宅してシャワーを浴び、乾いた体に冷たいビールを流し込んで、その後はゆっくり夕食をとり今後の生き方などをじっくり考えて一日が終わる。

川崎で暮らしていた時は、例えば家から川崎駅までのわずか約2kmをバイクで走る間、車、信号、人、建物などがとにかく多く、視覚からゴチャゴチャゴチャ流れ込んでくる情報処理に神経が奪われていたが、ここではただただ美しい山々を眺めているうちに気がついたら4km進んでいるし、その間信号は二つだけだ。

家の周辺も人も店も少なくて自然に溢れているから、乱暴に言えばグチャグチャに散乱したゴミのような出来事に関わることなく、マイペースで過ごせる。 

一言でいえば、生活がとてもシンプルになった。そして、日々とてもリラックスできている。

このライフスタイルと環境はかなり理想的で、おもいきって白馬に引っ越して本当に良かった。この家はやがて出るが仕事は白馬でするから、このままこのリズムで過ごせることを心から願っている。

Wishig The Ideal Life

前職のブラザーの、素晴らしいFacebook投稿です。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02m4xcmjXTjRp69TndBNbFm2MTowVm9BHzUHVhzDZYSesakryVrpi2hPHQic2V6a1bl&id=579839032

彼に遅ればせながら、自分も移住という「旅」をスタートした。

ロシアの最東端到達を目指す夢は封印し、家も仕事も移して、もう川崎に戻ることはない。

昨日の物件探しで、理想を超えるとてつもない家に出会い、そこに住めそうな可能性が極めて高くなった。9月19日に家主と会って最終決定するまで詳細は控えておくが、Mayloが帰って来たらここに引っ越すつもりでいる。

自然の中で暮らしたい、もっと自然を知り、活かし、守る知恵をつけたい。

それがどれだけ大変で、でもどれだけ尊いのか、自分にできるのか。


実践あるのみ。。。!

INNER TRIP #1

3月の途中までさんざん書いてきた通り、この夏はロシアへと渡り、最東端に向かって走るつもりだった。その目標に向かって、気持ちをおもいっきり昂ぶらせて準備も進めた。しかし。その夢を諦めざるをえないとてつもない出来事が起こり、しっかりとイメージしていた姿は儚く淡い、にじむピンクのような感じになった。

俺の心は、一つの物事を常に二律背反にとらえる癖がある。

俺の夢は命を懸けても惜しくないほど大切で、自分らしく生きる上で必要不可欠な何よりも尊いものあると同時に、最もどうでもいいただの独りよがりなもので、なんの価値の無いものだとも思っている。いま、戦地で起きている出来事を想像すれば、そこでただ当たり前の日常を守ることに全身全霊を懸けている人々の姿があることを現実として思い浮かべれば、俺の夢なんて恥ずかしいぐらいにどうでもいいものだと思っている。

じっとしてはいられず、普通ならいつも出かけてしまう自分。しかし、2020年から国際間移動が制限され、3年目に突入した。今年こそ「行ってやる!やってやる!!」と、溜まりに溜まったエネルギーを発散するはずだったが、隣国のロシアは政治的に世界で一番遠い地へと変わり、戦争が終わっても向こう何年か自由に旅するには難しい状況が続くだろう。その上でさらに、自分が目指しているのは平常時でもロシア政府からの許可証が無いと入れないチュクチ自治区にある、地理学的にも最果ての場所になる。

ユーラシア大陸最東端のデジニョフ岬はロシアにしかないし、そこへバイクでたどり着きたい憧れは心に深く刻み込まれ、永遠に消えはしない目標だ。しかし今は、自身の尊い夢を前時代的な国家の中に描くこと自体ナンセンスだと感じ、熱い想いがキンキンと音をたてて自然冷却されて、片隅に置いてしばらく放っておいても大丈夫なぐらいに冷めた。

しかし、決してこの状況を悲観してはいない。

むしろ、これはチャンスだと思った。大抵の人は自ら行かない選択をして行かないが、自分で言うのも何だが俺のような情熱的行動的なタイプは何があっても行くから、行きたいけど行けない、これはちょっと難しいからやめておこうなんて思う状況は、人生でもそうそう無い。

いつも外ばかりに目を向けて出かけてしまうから、こうでもならないと止まらず、逆に足元を見つめて踏み固める良いタイミングなんじゃないか?と考えた。今までなんとなくOKで済んできた、日常生活での理想を実現するチャンスだと。自然豊かな場所に住み心身の健康を大切にし、すべてをお金で買ってそのために仕事ばかりするライフスタイルを忘れ、消費型社会から脱した生活に努めてみたい。

そのためには、そのような場所で実際に日常生活を送ってみる、実践してみることが不可欠だ。どこか外国に旅に出る必要はない。もちろん今は、という意味で、この先一生国内で過ごすという意味ではない。これまで外に出て、違う文化や異なる価値観や新しい視点を吸収することばかりを優先してきたが、そろそろインプットよりもアウトプットに取り組む時が来たのだ。これまで人の何倍、いや何十倍?もの国々を旅してきたから、普通ならもう充分なのだろう。まだまだ行ってない場所が、国があるぜ!!と、カントリーハンターになるよりも、国を変えて同じ行動を繰り返すよりも、国内でライフスタイルに変えてみれば新しい「旅」がはじまる予感がする。

書ききれないから、INNER TRIP #2 に続きます。

GW 2022 #2

4㈬〜5㈭。こんなルートで走り、前々回書いた白馬の家を見に行きつつ、ツーリングを楽しんだ。一生忘れない、人生の大きな、強烈なターニングポイントの二日間となった。結論から述べると、とりあえず10月半ばまでその家に住むことになった、もっと延びる可能性もあるけど。ライダーハウス業は関係なく、普通に暮らす感じで。

家のキーをもらって帰ってきた。
時系列を追って話す。まずは白馬までの道すがら、長野県の筑北村で知人のケイコさんが経営する古民家宿「角屋(カドヤ)」に立ち寄った。
突然の乱入にも関わらず、ケイコさん(一番左)とスタッフさんたちが温かく迎えてくれて、お茶を頂きながら小一時間ほど談笑。

ケイコさんのバイクやスタッフのバイクでにぎやかな宿。おすすめです!
そしていざ、平地からガツン!山の立ち上がりが素晴らしい白馬へ。
Maylo(マイロ)の家に到着。白馬村のみそら野という別荘エリアにあり、その中でも閑静な素晴らしいロケーションだ。
まだ雪を抱く山を最近まで滑っていたのだろう。帰国直前で超快晴のこの日、Mayloの雪山ギアがたくさん干されていた。
いまだDIYでリフォームしている途中で見てくれは良くないけど、家の中は快適だしそんなことは完全に忘れるほどのメリットがある。
こんなことを書くと気を悪くする人も多いかもしれないが、もはや日本人の「理想の人生」として描かれている「新築一戸建てorマンションを買ってこそ一人前」という価値観はある種の洗脳で、ここにいるといかにおかしいかわかる。どこもかしこも人で溢れた場所で、建物がびっちり隣接し合う狭いウサギ小屋を、定年まで払い続けるウン千万円ものローンを組んで購入し終の棲家が決まり、その結果自らに大きな足かせをはめて仕事に縛り付けられる。多くの人が「そうしなきゃ立派な大人の仲間入りできない!」と信じて疑わずに行うこの行動は、どう考えても住宅メーカーその他のビジネスシステムを、ひいては日本の経済を崩さないための巧妙な罠だと思う。ウン千万円あるいはそれ以上かけて手に入れた家は、わずか一・二世代が利用して廃墟になるか潰し、また新しいウサギ小屋をウン千万円かけて建てる。広い土地の家を安く手に入れて、工夫しながら住み、改修や修理を自らすることで「自分の家」の愛着がさらに高まり、心身も若々しく健全に維持できて、よっぽどいいんじゃないか?
ガレージにバイクを停める。家の西側の壁は巨大な窓へと変貌をとげていた
まどを開けると、家と林が一つに
テラスに出ると、正面に若い桜の木が一本あり、まだわずかに花びらを落としていた
そんな場所で、ランチタイム。
バイクを見ながら食べたい!と思って、また出してみた。いい感じだ。
リビングの壁。Mayloがバイクで走った国々と日本国内の地図が。
FREERIDE YOUR LIFEと、Mayloのステッカーには書かれていた。そう、いつだって自分の道は自分で決められるように、誰もが自由に生きればいい。いま自分が歩んでいる道は、自分自身で選択した結果なんだから。社会が、常識が、仕事が、年齢が、とかは、すべて言い訳に過ぎないと思っている。今いる環境は全て自己責任で作り出した産物で、これから先もずっとそうだと理解すれば、誰しもが心のままに生きることを怖がらなくなるんじゃないだろうか。

ヘルメットラックのある玄関。
テラスの横には小川が流れ、いつでも川のせせらぎが聞ける。野わさびも穫れる。
家の前の通りはこんな感じ。
隣人は、白馬で白馬を飼うコウヘイさん。3年前はじめてここに来た時に知り合っていて、覚えてくれていた。白馬では知らない人がいないほど顔が広いらしいので、頼りになる。2ヶ月前に生まれたばかりのゆに子が超絶カワイイ。
Mayloの友人で三鷹に住むイギリス人Robさんが赤いGSX-S1000Fでやってきた。右のCLUBMANはMayloが日本で乗っているバイク。
三人で近所の温泉に行き、戻ってきて家でくつろぐ。右腕の内側にタトゥーが入っている俺は、温泉でなんか言われたら嫌だな〜っちょっと気にするのだが、Robさんは左の胸から腕の途中にかけて桜吹雪のような強烈なやつが彫られているけど、躊躇する素振りもなく堂々と入っていった。周りの客は嫌だっただろうな〜笑。

軽井沢のクラフトビールブルワリーで買ったというパーカーを着るRobさんとMayloと乾杯。二人ともかつては散々飲みまくっていたが今はほどほどに控えているそうで、その点も俺と共通していて気が合った笑 お互いのこと、バイクのこと、音楽のこと、人生の価値観について、似た者どおしでポジティブに語り合った。

翌朝。開放的なリビングでパソコンを触るSEのRoBさん。
開発した寿司アプリを披露してくれた笑
走りに行く準備をして。
この日いかに絶景の中を走ったか、写真たちから伝わるだろう。ざっくり白馬→戸隠→黒姫高原→妙高高原→滋賀草津道路→高崎→関越道で、峠を200kmぐらい走った。二人とも速いから俺もがんばる、レベルの近い人たちと走るのは楽しい。Robさんから「YUKIはテクニカルライダーだね、今まで走った日本人と違って走り方が大胆だよ」と言われたのは、嬉しかった。まぁ世界の道に鍛えてもらったから、当たり前なんだけれど。
実はRobさん、世界を舞台にDJもやっていたらしく、この日妙高の杉の原スキー場で開催されていたラスタ系のフェスに、彼の友人マルチェロがメインDJとして出演しているから行こうぜ!てなことで乱入。入口でスタッフに「ヘイ!マルチェロは俺のマブダチだぜ!?だから俺のマブダチのこの二人もマルチェロのマブダチってことになるんだから入らせてよ、チケット無いけどさ!」と一人あたり18000円のエントランスフィーをタダにしろとネゴる。スタッフは困惑するが最後はオッケーになった笑
主催者さんご苦労さまです。
この手のフェスにはありがちな手法で、二人ともHighに。俺もMayloから「旅する中で経験あるだろ?バイク乗れるか?」と薦められたけど、「まぁ何回かはあるし乗れるけど、いいや、ありがとう!」と断った。Mayloは「もう離れたけど、俺はずっとこんな世界で育ってきたんだ!でも日本では初めてだから、久々にサイコーだぜ!ごめん、ツーリングやめてここに残らせて」と途中離脱。
その後はRobさんと二人旅になり、暑いこの日でも10℃だった渋峠などを走り、帰ってきた。

こんな景色に負けないぐらい、素晴らしいものが心の中に手に入った。深いけど、次回書こうと思います。

Rider’s House HAKUBA

三年前に知り合った、世界をバイクで旅するチェコ人のMaylo(マイロ)。

チェコをバイクで旅立ち二年半後に日本へたどり着き、スノーボーダーがゆえ白馬の雪に心を奪われてそこに住みたいがために傷んだ家を買い、自分でリフォームして今年から宿泊施設としての許可を取るまでに漕ぎ着けた。三年前に泊まらせてもらった時は床板や壁を剥がしている途中だったから、完成してどうなったのかぜひ見てみたい。

そんな彼が、「半年ぐらいチェコに帰るから、その期間中白馬の家に住んでくれる人を探してる。なんならこの家を使ってAir BnBで稼いでも構わない」と連絡があったから、彼がチェコに帰る前に立ち寄りたいと言ってきたAraiヘルメット本社@大宮で待ち合わせて、詳しく話を聞いてみた。

隣接するショールーム
我々の訪問を快く受け入れてくださったアライ社員の悠平くん。感謝!

川崎から移り住もうと思っている身として、夏は自然豊かな白馬でライダーズハウス経営も悪くないな、と思ったり。じっくり考えようと思う。

帰り道はのんべえ街、赤羽で下車。歩き回っているうちに「まるます家」という店が目に止まり、入った。するとこれが老舗の有名店だったらしく、アタリ!

左上が鯉のあらい(温水ひたし)、右上がマグロぶつ、下がもつ煮。鯉のあらいは酢味噌をつける、美味しすぎてすぐ食べた。

鯉の刺し身にもチャレンジ。臭みはまったくなく、プリップリの歯ごたえでめちゃくちゃウマかった!!これで600円、珍しいものを美味しく食べられる名店でした。

MayloとはGW中に俺が白馬に行ってまた会う約束をした。マジでライダーズハウスのオーナーをやるか?真剣に考えて、行って建物や白馬村をじっくりと観察してから、結論を出したい。といっても、誰かとやった方が準備や掃除とかラクだし、8/5〜19はモンゴルに行く予定だから居ないし、一緒にこのライダーズハウス経営を楽しんでくれる相棒も探してみよう。

久々にガッツリ英語で話したら、Mayloが言ってることはほぼわかったが、話すとなると言葉がなかなか出てこなかった。英語もっと鍛えたいなー。