8/21の出来事 Heavy Weather

激しい雨が降ったり止んだりしていた。

この雨の後だったら昨日の道はまず通れなかっただろうな。これから街を出る道は荒れてないだろうか?など頭を巡らせながら、バイクの元へ。無事だった!

バイクをかくまってもらった工場のボスに礼を言い、約束の200ルーブルを渡すと彼は受け取らなかった。それどころでない。右側のスイングアーム下の地面だけはっきりと濡れているので、気になって触るとグリスのようだ。。まさか、どこか破損して漏れ出してるのか??と、泥だらけの車体から場所を見つけるべく覗き込むと、ライトで照らしながら俺よりも必死なぐらい真剣に探してくれようとしている。しかし、どこだか分からない。。そしたら、「君のバイクはどこかおかしいから、今すぐにこのトラックに積んで修理に出そう」と言うのだ!!(ジェスチャーからの推測)仕事始めの月曜日の朝だ、普通ならばとりあえず早く出て行ってもらって、後は自分で解決してくださいってはずなのに、なんて優しい人なんだ!申し訳ないけど仕方ないかなと思った時、右サイドバックから液体が滴った瞬間、理解できた。原因は右サイドバックに入れたチェーンルブの缶が中で破裂して漏れていたのだった!常に固い表情の彼も、この時は笑顔を見せてくれた。最高に強くて格好良くて優しい男との別れに、この旅で初めて涙が出た。

(蚊に刺された右まぶたが腫れております)

昨晩教えてもらった道を目指すも悪い予感は的中し、通るはずだった道が今朝の大雨で水没して進めない。

迂回路を探し、昨日よりはまだマシな泥と池の道を経由しつつも、ようやくこの街から抜け出すことができたのだった。

慣れ親しんだアスファルトロード帰ってきた時、すごくホッとした。この二日間の出来事は、「ロシアの延々と続く単調な道には飽きた」と思っていた自分への、ロシアの大地からの洗礼かもしれない。そう思ったら、走りやすいこの道への感謝の気持ちが生まれ、そして楽しくなった。

この日はすごく天候が悪く、その先も大雨、濃霧、雷、突風と戦った。が、これもロシアの大地からの洗礼の続きだと思い、「俺が悪い!」と思えばぜんぜん辛くなかった。

(もう一つ動画がありますがアップロードできなかったので、追々やります)

マグダガチという街は 苦しみと喜び両方で忘れ得ぬ思い出をくれた。ありがとう!

この夜はガソリンスタンドの横にバイクを突っ込みのにちょうどいい小屋を見つけ、日に日に一緒になって汚れていくも、思い出と愛着が増えていく相棒を眺めながら眠りました。